今回は雑誌で描いているマンガ家さんは
どうやって稼いで食べているのかという話をしたいと思います。
お金の話をすると毛嫌いされたりしますが
お金がないと生活ができないですし
とても大切なことなので批判も承知で書いていきます。
まず、前提として一般的なマンガ家は
出版社の雑誌に掲載されることで掲載料として
原稿料をいただきます。
出版社にも寄りますが
だいたい5000円~12000円くらいが相場です。
有名な作家で有名な雑誌で描かれているマンガ家さんは
これ以上の金額で描かれています。
新人さんですと平均的に8000円くらいはもらえる所が多いので
今回は原稿料8000円の新人作家さんを例に説明していきたいと思います。
月刊誌で32ページの連載を持つ新人作家さんがいたとします
ひと月の収入は8000円×32pで合計256.000円になります。
ここから源泉徴収で10%引かれ
残りは230.400円です。
一人ですべて描ければこの金額をすべて手に入れることができますが
32ページともなると背景の量もなかなか多いはずですので
アシスタントを使用するのが一般的です。
アシスタントは通いや在宅などがありますが
今回は通いということで話を進めます。
通いの場合、10時開始22時終わりというのがよくある形です。
拘束時間は12時間、食事休憩が1時間~2時間
この条件でアシスタントさんへの給料は
技術レベルにもよりますが
8000円~20000円です。
レギュラーアシスタントでしかもチーフクラスなら
これ以上もらうこともあります。
ここに往復の交通費、お昼ご飯と晩御飯をプラスした金額を
アシスタントさんに払う流れになります。
アシスタント代と原稿料がほぼ同じ
いや下手したらというか普通は
アシスタント代の方が原稿料より高くなることが多いです。
ひと月の原稿料が約23万円の新人作家さんでは
長い日数アシスタントさんに入ってもらうと
赤字になってしまいます。
アシスタントさん2人に5日入ってもらうだけで
約10万はかかりますからね。。
そこから家賃や光熱費食費や画材などの必要経費を引いていくと
連載中にいただける原稿料はほぼ残らなくなってしまいます。
みなさんは「連載貧乏」という言葉を聞いたことはありますでしょうか?
自分はマンガ業界に入る前から聞いていて知ってはいましたが
都市伝説だと思ってました!!
だっておかしいじゃないですか
連載してるのに借金ができていくなんて
でも本当にある話なんです。
原稿料はほぼ残らないので
雑誌で連載する作家さんは単行本の売り上げが
純粋な利益になると言っても良いと思います。
ちなみに単行本の印税率は出版社によっても違います。
みんな印税は本の代金の10%だと思ってたでしょ?
5%とかもあるんやで!!!!!(涙)
印税率は紙の本の場合5~10%
一般的に知られているのは
本を刷った数×印税10%
あまり知られていないのは
刷った数じゃなくて実売数×印税5~10%
経験者なんでわかりますが
この実売方式は正直ほとんど利益になりません(涙)
連載貧乏に話を戻します。
一番やばいパターンの連載貧乏は
連載が途中で打ち切られて
しかも単行本にならないケースです。
実際にあるんで怖いです。。
あとは単行本化したけどあまり売れずに
打ち切りになってしまうパターンなどですね。
ちなみに連載する前の準備が一番お金がかかります
アシスタントさんが通いの場合
連載を始めるにあたってアシスタントさんが来れるように
広い部屋に引っ越したり、アシスタントさんの机や椅子
パソコン、ペンタブレットその他もろもろを用意しなければならないからです。
出版社によっては連載準備金などをもらえるケースもありますが
もらえないことが多いのが現状です。
ではお金がない新人作家はどうするのか?
いや~これも都市伝説だと思ってたんですが実際にあるので書きますと
担当編集さんからお金を借りるのです!!!!
これを実際に聞いたときはビッックリしました(笑)
連載して打ち切られて借金だけが残ったり
貯金残高が減ったって話はこういう流れがあったみたいです。
アシスタントを最小限に使用し上手くやりくりすれば
原稿料も多少残せるのでみんながみんな連載貧乏になるわけではないですが
実際に連載貧乏になってる作家さんを見ているので
真実を書きました。
なんでこんな風に連載貧乏になるのかというと
出版社が求める作品のクオリティは上がっているのに
数十年前から
原稿料や印税はそれに比例して上がっていないことが
原因だと私は思っています。
正直な話、作家側の気持ちからすると
原稿料は1ページ15.000円くらいは欲しいです。
あと印税も最大50%欲しいです。
これだけもらうことができれば連載して
お金が逆に減ったなんてことにはならないと思いますが
出版社的には今のご時勢に
これだけの金額を払うことは難しいと思います。
もしこの金額を作家に払うようにすると
その出版社が今までやっていたやり方を
変えなければならないでしょう。
支出が増えるのでやり方を変えなければ
会社をやりくりできなくなります。
結果、出版社は昔ながらの金額の形態を変えずに
今に至ったのではないかというのが
私の個人的な考えです。
しかし最近、少しづつ
この流れが変わろうとしてきています。
出版業界からではなく別の業界がマンガ業界に進出してきたのです。
1つ目はゲーム業界です。
ソシャゲ系は最近勢いがあるので原稿料が出版社に比べ
めっちゃ良い場合が多いです。
2つ目は電子書籍を販売する会社です。
電子書籍の場合
印税率が30~70%とかなり高いのが特徴です。
出版社が紙で印刷する分、印刷費のリスクが発生するのに比べ
電子書籍は印刷費を必要としないデータなので
印税率も高い感じなんでしょうかね。
この流れはとても良い流れだと私は思っています。
条件の良い方でどんどん作家が描くようになれば
出版社側も作家を獲得するために
今後、条件を良くしていってくれるのではないかという風に思います。
前回の記事でも書きましたが
ネットの普及により多様化が進み
マンガ家は出版社だけに頼らずともマンガを描いて
稼ぐことができるようになってきました。
もちろん、紙媒体の雑誌で連載することのメリットも大きいですが
紙以外の媒体にも目を向けてみると
思った以上に良い条件が転がっていることが多いと思います。
私は決して出版社を批判したいわけではありません!!
出版不況と言われる今日
出版社さんや編集さんもすごく大変だと思いますが
マンガ家さんもまぁまぁ大変なんで
今後お互いにウィンウィンな状態になっていければ良いなぁと思います。
せめて…
連載貧乏という言葉だけはマンガ業界から無くなる事を
切に願っています!!
次回は個人でやってるマンガ家さんのお金の稼ぎ方について
書こうと思います。
どうやって稼いで食べているのかという話をしたいと思います。
お金の話をすると毛嫌いされたりしますが
お金がないと生活ができないですし
とても大切なことなので批判も承知で書いていきます。
まず、前提として一般的なマンガ家は
出版社の雑誌に掲載されることで掲載料として
原稿料をいただきます。
出版社にも寄りますが
だいたい5000円~12000円くらいが相場です。
有名な作家で有名な雑誌で描かれているマンガ家さんは
これ以上の金額で描かれています。
新人さんですと平均的に8000円くらいはもらえる所が多いので
今回は原稿料8000円の新人作家さんを例に説明していきたいと思います。
月刊誌で32ページの連載を持つ新人作家さんがいたとします
ひと月の収入は8000円×32pで合計256.000円になります。
ここから源泉徴収で10%引かれ
残りは230.400円です。
一人ですべて描ければこの金額をすべて手に入れることができますが
32ページともなると背景の量もなかなか多いはずですので
アシスタントを使用するのが一般的です。
アシスタントは通いや在宅などがありますが
今回は通いということで話を進めます。
通いの場合、10時開始22時終わりというのがよくある形です。
拘束時間は12時間、食事休憩が1時間~2時間
この条件でアシスタントさんへの給料は
技術レベルにもよりますが
8000円~20000円です。
レギュラーアシスタントでしかもチーフクラスなら
これ以上もらうこともあります。
ここに往復の交通費、お昼ご飯と晩御飯をプラスした金額を
アシスタントさんに払う流れになります。
アシスタント代と原稿料がほぼ同じ
いや下手したらというか普通は
アシスタント代の方が原稿料より高くなることが多いです。
ひと月の原稿料が約23万円の新人作家さんでは
長い日数アシスタントさんに入ってもらうと
赤字になってしまいます。
アシスタントさん2人に5日入ってもらうだけで
約10万はかかりますからね。。
そこから家賃や光熱費食費や画材などの必要経費を引いていくと
連載中にいただける原稿料はほぼ残らなくなってしまいます。
みなさんは「連載貧乏」という言葉を聞いたことはありますでしょうか?
自分はマンガ業界に入る前から聞いていて知ってはいましたが
都市伝説だと思ってました!!
だっておかしいじゃないですか
連載してるのに借金ができていくなんて
でも本当にある話なんです。
原稿料はほぼ残らないので
雑誌で連載する作家さんは単行本の売り上げが
純粋な利益になると言っても良いと思います。
ちなみに単行本の印税率は出版社によっても違います。
みんな印税は本の代金の10%だと思ってたでしょ?
5%とかもあるんやで!!!!!(涙)
印税率は紙の本の場合5~10%
一般的に知られているのは
本を刷った数×印税10%
あまり知られていないのは
刷った数じゃなくて実売数×印税5~10%
経験者なんでわかりますが
この実売方式は正直ほとんど利益になりません(涙)
連載貧乏に話を戻します。
一番やばいパターンの連載貧乏は
連載が途中で打ち切られて
しかも単行本にならないケースです。
実際にあるんで怖いです。。
あとは単行本化したけどあまり売れずに
打ち切りになってしまうパターンなどですね。
ちなみに連載する前の準備が一番お金がかかります
アシスタントさんが通いの場合
連載を始めるにあたってアシスタントさんが来れるように
広い部屋に引っ越したり、アシスタントさんの机や椅子
パソコン、ペンタブレットその他もろもろを用意しなければならないからです。
出版社によっては連載準備金などをもらえるケースもありますが
もらえないことが多いのが現状です。
ではお金がない新人作家はどうするのか?
いや~これも都市伝説だと思ってたんですが実際にあるので書きますと
担当編集さんからお金を借りるのです!!!!
これを実際に聞いたときはビッックリしました(笑)
連載して打ち切られて借金だけが残ったり
貯金残高が減ったって話はこういう流れがあったみたいです。
アシスタントを最小限に使用し上手くやりくりすれば
原稿料も多少残せるのでみんながみんな連載貧乏になるわけではないですが
実際に連載貧乏になってる作家さんを見ているので
真実を書きました。
なんでこんな風に連載貧乏になるのかというと
出版社が求める作品のクオリティは上がっているのに
数十年前から
原稿料や印税はそれに比例して上がっていないことが
原因だと私は思っています。
正直な話、作家側の気持ちからすると
原稿料は1ページ15.000円くらいは欲しいです。
あと印税も最大50%欲しいです。
これだけもらうことができれば連載して
お金が逆に減ったなんてことにはならないと思いますが
出版社的には今のご時勢に
これだけの金額を払うことは難しいと思います。
もしこの金額を作家に払うようにすると
その出版社が今までやっていたやり方を
変えなければならないでしょう。
支出が増えるのでやり方を変えなければ
会社をやりくりできなくなります。
結果、出版社は昔ながらの金額の形態を変えずに
今に至ったのではないかというのが
私の個人的な考えです。
しかし最近、少しづつ
この流れが変わろうとしてきています。
出版業界からではなく別の業界がマンガ業界に進出してきたのです。
1つ目はゲーム業界です。
ソシャゲ系は最近勢いがあるので原稿料が出版社に比べ
めっちゃ良い場合が多いです。
2つ目は電子書籍を販売する会社です。
電子書籍の場合
印税率が30~70%とかなり高いのが特徴です。
出版社が紙で印刷する分、印刷費のリスクが発生するのに比べ
電子書籍は印刷費を必要としないデータなので
印税率も高い感じなんでしょうかね。
この流れはとても良い流れだと私は思っています。
条件の良い方でどんどん作家が描くようになれば
出版社側も作家を獲得するために
今後、条件を良くしていってくれるのではないかという風に思います。
前回の記事でも書きましたが
ネットの普及により多様化が進み
マンガ家は出版社だけに頼らずともマンガを描いて
稼ぐことができるようになってきました。
もちろん、紙媒体の雑誌で連載することのメリットも大きいですが
紙以外の媒体にも目を向けてみると
思った以上に良い条件が転がっていることが多いと思います。
私は決して出版社を批判したいわけではありません!!
出版不況と言われる今日
出版社さんや編集さんもすごく大変だと思いますが
マンガ家さんもまぁまぁ大変なんで
今後お互いにウィンウィンな状態になっていければ良いなぁと思います。
せめて…
連載貧乏という言葉だけはマンガ業界から無くなる事を
切に願っています!!
次回は個人でやってるマンガ家さんのお金の稼ぎ方について
書こうと思います。